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コーエン兄弟の「ノーカントリー」をみた。日本人はアカデミー賞をわりとバカにしているけど、アカデミー賞とるってことはやっぱりそれなりに良い映画なんだよね。「タイタニック」だって良い映画だったし。

「ノーカントリー」は、名作っぽいニオイがそこかしこにただよっているのだけど、最後まで実感ができない映画だった。
でも殺人鬼シガーのキモイ怖さとか、全編にわたる緊張感とかは充分すぎるくらい味わったので、やっぱり名作なんだとおもう。私がわかんないだけで。平和だから。

中盤までは、どう考えても殺されなくていい人たちがどんどん殺されていって、吐き気をもよおすほどだったのだけど、後半の主要人物の死は直接そのシーンが描かれる事がなくて、そこで起こっている事件と観ている私たちの距離が離れていったように思う。
それはシガーを追跡するトミー・リー・ジョーンズの諦めというか、絶望感みたいなものを現してるのかなと思った。

映画を見終わるとちょうど世界陸上の女子マラソンが始まる時間だった。中盤までは20人くらいの1位集団だったのが、1人2人と欠けていって、最後には2人になった。そして最後の1キロで日本の尾崎は1位の白雪に離されてしまうのだけど、その離されようがまさにトミー・リー・ジョーンズ! と思ったのでした。